法令
古物営業法が改正となります。
2018年4月17日 古物営業法改正(古物営業法の一部を改正する法律案)
2018年4月25日 改正古物営業法公布
2018年10月24日 一部を除き施行
改正前
複数の都道府県で古物商営業する場合、その都道府県ごとでの公安委員会の許可が必要です。
改正後
主たる営業所がある都道府県の公安委員会の許可があれば他に営業所を置く場合でもその営業許可は届出のみで足りるようになります。
>許可単位の見直しの施行は公布より2年以内となっています。
改正前
買い取った古物を受け取れるのはお店かお客様のご自宅だけです。(契約自体はどこでも自由)
改正後
予め届ておく事で仮設店舗での古物受け取りが可能となります。
改正前
古物商許可の取り消しをするには公安委員会が3か月間所在不明の立証をし聴聞の手続を経たうえでなされなければなりません。
改正後
公安委員会は古物商や営業所の所在が不明な場合はその事実を公表し30日経過後に古物商許可を取り消す事が出来ます。
改正前
暴力団員や窃盗罪で罪を受けた者であっても古物商許可は受けられます。
改正後
暴力団関係者や窃盗の罪に問われ懲役または罰金刑に処せられた者で5年を経ない者は古物商許可において欠格者となり許可を受ける事が出来ません。
民法
配偶者居住権にみる亡き配偶者の立場
2018年7月7日相続制度を大幅に見直す改正民法が可決、成立しました。この中で「配偶者居住権」というのが新設されました。ではそれは何かと申しますと
仮に夫の相続財産は家が2,000万円、預貯金が1,000万円で、妻と子供一人を残して夫が亡くなったとします。
現状の法律では妻と子供の相続分は二分の一ずつで1,500万円ずつ貰える事となりますが、妻はかねてより住んでいた家でこれからも住み続けたいと願うのが正直なところではないでしょうか?
しかし妻は2,000万円の家に住み続けるには500万円を自ら捻出して子供に渡した上で家の所有権を取得する必要があります。そのようなお金を持ち合わせていない妻(そんな方がほとんどでしょう)は家を売却し子供と相続分1,500万円を分け合う事にもなりかねません。
新設された配偶者居住権を選択すれば、妻には居住権というのが設定されます。家の居住権が1,000万円であるとすると、妻には1,000円の居住権、子供には1,000円の所有権が相続され、妻は居住権を行使し生涯、家に住み続ける事が出来ます。
一方、子供は1,000万円の家の所有権は取得したにもかかわらず家を売却する事は出来ず500万円の預貯金の相続を受けるにみとなります。
又、相続財産が2,000万円の家と預貯金が3,000で母と兄、弟の三人が相続人である場合、母には相続分二分の一の家の居住権1,000万円と現金1,500万円がもらえます。兄と弟は残り二分の一の更に二分の一の相続分が認められます。そこで、兄が家の所有権1,000万円を相続する事となれば現金250万円もらえる事となり、現金1,250万円を貰える弟とは差が生じる事となります。なおかつ、家の所有権は兄にあり、所有者という事で固定資産税の納税義務があります。兄としては「家を売却出来ず、現金も弟よりはるかに少なく住んでもいない家の税金も払わなければならない」と言い出せば争族にもなりかねません。
弱者である母を守る為の法律であるのですが、そのシワ寄せが誰かに回ってくる事も考えられます。個々の事情はそれぞれです。その家庭に応じた事情を考え生前贈与や遺言で後々の争いを回避する事が大事なのではないでしょうか?